「自衛隊という暴力装置」という仙谷長官の発言が問題となっています。
一部報道にもありますとおり、私自身、昨年三月の朝日新聞でのシンポジウムで「国家の定義というのは警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の一つの定義(原文のまま)」と述べております。
原典はマックス・ウエーバーの「職業としての政治」なのですが、外国語による著作を引用するときは、原文にあたらないと、訳語のニュアンスで誤解を招きかねないので、これからもっと私も注意しなくてはなりません(ウエーバーの著作には他にも「装置」という訳語が多く出てきます)。
私の発言はあくまで政治学上の定義を引用したうえで、「何故北朝鮮で、あのようなテロ行為が起こるのか」を論じたものであり、国会において、自衛隊を、名指ししたものではありません。
しかし、政治の側が、「ことに臨んでは身の危険を顧みず」国を守る責務を黙々と果たす方々に対する敬意を示しつつ、わが国における「自衛隊とは何か」を正面から論じてこなかったこと自体が、大きな問題なのだと思っています
これのひとつ前の記事に付いているコメント欄での仙石官房長官批判があまりにもすごいので、石破さん、どうするんだろう??って昨日は思っていたのですが、ちゃんと書いてくださって、さすがだな、と思いました・・・・
まあ、僕の発言と仙石さんは微妙に違う・・と言いたかったのかな?と思いましたが、むかしから、「自衛隊とは何か」を論じることを避ける傾向があったのは、お玉も感じます。これは自民党が政権の座にいる時からなわけですから、石破さんは自民党の内部に向かっても「大きな問題」と思っているんだろうなあ・・・
自衛隊のことだけでなく、安保にしても、基地問題にしても、突っ込んで、わかりやすい議論なんてものは国会ではお目にかかれなくて、今回の「暴力装置」もそうですが、本当の意味がマスコミを通じるとますますゆがめられてたりする。それじゃ、いかんやろう・・・・・
あ、石破さんのブログ記事でよくわかったこと。それはマックス・ウェーバーは左翼の本とか、過去のカビの生えた考え方ではないということ。知らなかったことを「知らなかった」と言えない、議員や一部マスコミコメンテーターの皆さんは今後どうするのかな?
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「抑止力を問う」のあとがきの中で、柳澤協二さんは
「基地や日米安保を巡る議論はともすると相手を打ち負かすための論争に終始する傾向がある。相手の考えを理解した上で説得し、あるいは自分の認識を深めようとするという、建設的議論にはなりにくい」
そう書いてましたね。
石破さん、「ブログに書いて終わり」にはしないで、「暴力装置」という言葉が一人歩きしちゃったマスコミの中でも発言してくださいね。仙石さんも菅さんも今は言い訳するのは得策じゃないと、思っているようで、今後、釈明する事はないでしょうけど、このままじゃ、ますます自衛隊は何かのお話にふたをしてしまうことになりそうで・・・心配です。
お玉、しばらくは、沖縄知事選挙モードです~

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