>なぜ、日本人は侵略戦争をしたくないのに、するのだろう。
なぜ、日本人は「民主主義」という大義名分のもとでおこなわれるアメリカの「侵略戦争」に、したくもないのに加担しなければならないのだろう。
…という文章のほうがより正確でしょう。
>アメリカ人もなぜあんな卑劣な侵略戦争をできるのだろう。テロを恐れているからああなるのだろうか。
ノーム・チョムスキーなどの一部の知識人を除いて、大半のアメリカ人が「米国のアフガニスタン介入がアフガン人に最終的にプラスの影響をもたらすことは間違いがない」といった考え方を支持しているからでしょう。
故に、「卑劣な」などという形容詞を、アメリカの一般人が「対テロ戦争」に対して付けることがないのです。
http://terasima.gooside.com/interview030910intervention2afgan3iraq.html
さらにいえば、このブッシュ演説が示すような、「日本民主化の成功体験」を、多くのアメリカ人が支持しているということが挙げられます(少なかったらブッシュのブレインがこんな演説原稿を作成することはない)。
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20070824-01.html
このブッシュ演説は日本人としては腹立たしい限りではあるのですが、以下の抜粋にあげられたことは確かに事実です。
「こうした努力のおかげで、すべての日本国民は信仰の自由を獲得し、天皇は天皇であり続けた。そして新しい日本が日本文化の貴重な部分をしっかり包含したおかげで、日本の民主主義はますます力強く成長した。そして現在、あらゆる批判や疑いの声に反して、日本は世界でも有数の素晴らしい自由社会となった。
・民主的な日本は、国民に平和と繁栄をもたらした。(中略)そして20世紀のイデオロギー対立のさなかでアメリカの敵だった日本は、21世紀のイデオロギー対立においてアメリカを最も強力に支えてくれる同盟国のひとつとなったのだ。」
アメリカが力づくで押し付けた「新しい国家体制=憲法」は、 日本に「平和と繁栄をもたらした。」のは、ちえんさんも否定できないでしょう。
この「否定できない弱さ」が、結果として左派勢力の脆弱さにつながり、親米保守政権である自民党が長期にわたり国政を担当し、また冷戦時代に西側に属し、現在もアメリカの世界戦略に追従する姿勢となって、日本の政策に現れているのです。
>よく攻められる攻められたらといわれるが、アメリカは問答無用に無差別にたくさんの国に爆弾を投下しているが、それでいいのか?
実際のアメリカの世界戦略を担当する国務省などの優秀な人々は、大半は「マキャヴェリスト」である為、感傷的な心情は持たないでしょう。
(実例)
http://blogs.yahoo.co.jp/shimuratakayoshi/16271802.html
因みに本家のマキアヴェリの語録が此方です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AA%E8%AA%9E%E9%8C%B2
マキアヴェリの政治思想を強引に一言で言ってしまうと、「究極の性悪説」ともいえるかもしれません。対する憲法9条は、「究極の性善説」といえるかもしれません。
この二つの「究極」が、アメリカから発せられたというのはアイロニーですね。
なお、国務省のお偉いさんが、真にマキアヴェリの思想を継承しているといえば、そうではないことは語録を読めばお分かりのこととなるかと存じます。
(オマケ:松岡正剛さんの『君主論』の読書感想)
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0610.html
【 平和への関心は昔から強い。ある時、バンド仲間と戦争の話しとなり、一人が喧嘩にたとえて言った。「攻められたら、守るだろう」
いや、一対一の喧嘩と、国と国との戦争は違う。そう思い至ったときに「少しプチッとはじけた」。戦争は、望まない人まで巻き込まれる。】
サワダさん。貴方の平和への思いはわかりました。でも、はじけても構いませんが、「非武装絶対平和主義に基づいた非暴力防衛論」にはじけてしまったらダメだからですからネ。
なぜなら、立憲主義に反してしまうからなのです。
(参考資料)
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=206
「戦争は、望まない人まで巻き込まれる。」とは真実です。しかしながら99%の日本人は、戦争に巻き込まれないことを望むでしょう。
憲法9条はそのための手段の一つであり、目的ではないのですから。